飯田橋総合法律事務所

弊所の解決事案から~賃貸物件からの退去時の原状回復費用

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弊所の解決事案から~賃貸物件からの退去時の原状回復費用

弊所の解決事案から~賃貸物件からの退去時の原状回復費用

2024/07/28

建物の賃貸借契約は多くの場合、数年の間、建物を使用することになりますが、用期間が経過するほど、建物に損耗が発生します。そして、賃貸借契約が終了した際には、その損耗についてどのように処理するのか、具体的には、損耗部分の修繕等の負担を賃貸人と賃借人のいずれかが負担するのかが問題となります。

 

この点、法律上の原則は、建物の通常の使用や収益によって生じた損耗や経年劣化は、賃貸人の負担とされています。そのため、例えば、家具の設置による床の傷などは通常の使用の範囲内の損耗として、その回復費用は賃貸人が負担することになります。

 

しかし、賃借人側に落ち度がある事案では、賃借人が回復費用を負担しなければならなくなります。例えば、賃借人が室内で喫煙をしていたため、壁紙がヤニで汚れた場合がこれにあたります。

 

そして、このヤニ汚れの場合、通常は壁紙の張り替えで足りることが多いですが、長期間に亘り室内で喫煙をした結果、ヤニの匂いが壁紙だけではなく、建物の躯体部分にまで染みついてしまい、スケルトン工事をしなければ、この匂いを取ることができない場合があります。

 

このような場合、「壁紙の張り替え費用で足りる」と考えていると、賃借人が想定外の費用を負担しなければならないこともあります。

 

例えば、弊所では賃貸人から上記の工事が必要なケースで賃借人の連帯保証人に対して損害賠償請求をする事件の受任しました。この事案において、連帯保証人の代理人弁護士は、一般的な壁紙の交換費用等の負担の範囲で支払えば足りると主張しましたが、過去の裁判例に照らして、スケルトン工事の費用を賃借人ひいては連帯保証人も負担しなければならないことを主張し、この工事費用を考慮した金額(100万円を大きく超えています。)での和解による解決を行いました。

 

このように、特殊な事案では一般的な事案と異なる処理がなされることがあります。そのため、賃貸物件からの退去をめぐる問題について悩みがある場合には、専門家に相談することが大切です。

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