飯田橋総合法律事務所

孫子の兵法から学ぶ「負けない」法的紛争解決術

お問い合わせはこちら

孫子の兵法から学ぶ「負けない」法的紛争解決術

孫子の兵法から学ぶ「負けない」法的紛争解決術

2024/10/10

『風林火山』

 

 

この熟語をご存じの方は多いと思います。『風林火山』は、戦国時代の有力大名であった武田信玄の軍旗に書かれている言葉として多くの日本人に知られており、武田信玄が登場する大河ドラマなどでは、必ず、風林火山の文字が書かれた軍旗が登場します。

 

 

風林火山という言葉の由来は、今から約2500年前の春秋時代の中国で活躍した孫武(孫子)の兵法に求めることができます。孫子は、呉王の闔閭に仕えた武将で、呉の軍隊の制度を整備し、また厳しい訓練を施して強化した人物です。この孫子が記した兵法書が一般に「孫子の兵法」と呼ばれる古典であり、その軍争篇の「其の疾きこと風の如く、其の徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如く」(進撃が早いことは風のように、待機して静かなことは林のように、敵陣への侵攻の激しさは火のように、動かないときは山のように)という一節から「風林火山」という熟語が生まれています。

 

 

孫子の兵法は、その呼び名のとおり、軍の運用の仕方など戦争における戦略をテーマにしたもので、孫子が活躍した時代の状況を踏まえて書かれたものです。しかし、その内容は、現代の戦争に当てはまるだけではなく(例えば米国軍戦略大学校のテキストとしても、採用されています)、経営やビジネスの世界でも大いに参考になるものとして、多くの経営者やビジネスパーソンにも読み継がれています。書店に赴けば、孫子の兵法それ自体を内容にする書籍だけでなく、ビジネスの現場での孫子の兵法の適用を説明する書籍など、さまざまな種類の書籍に出会うことができます。私自身も複数の孫子の兵法に関する書籍を所有して愛読しています。

 

 

このように、戦争以外の場面でも有益な示唆を得られる孫子の兵法ですが、これは法的紛争を巡る実務においても、変わりません。孫子の兵法は、交渉や訴訟などの法的紛争の解決策の中でこれを応用することで、適切に法的紛争を解決するヒントを得ることができる弁護士にとって心強い古典です。

 

 

例えば、上記の風林火山は、戦争において、その状況に応じて軍の臨機応変に動かすことを比喩的に表現したものです。これを法的交渉に応用するならば、時として素早く対応し、時として状況を把握するべく静観し、時としてこちらの主張を相手に通すために、積極的に話を進め、時として相手方からの反応に対して敢えて反応しないといった形で臨機応変な交渉戦術を取るという発想を得ることができます。交渉というのは、自らの主張を相手方に認めさせるものであるため、相手方に対してどのように自らの主張を説明するという点にのみ視点が向きがちですが、孫子の教えに従えば、そのような一辺倒な交渉ではなく、状況に応じた臨機応変な対応が、よりよい結果に結びつくことになります。

 

 

孫子の兵法は示唆に富む古典です。このブログでは、折を見て、今後も孫子の思想から見た法的紛争への対応方法を検討して紹介していきたいと思います。
 

----------------------------------------------------------------------
飯田橋総合法律事務所
住所 : 東京都千代田区飯田橋3-6-8
飯田橋T&Sビル 601
電話番号 : 03-5213-4038
FAX番号 : 03-5213-4036


東京で企業法務をサポート

東京で民事訴訟をサポート

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。