飯田橋総合法律事務所

公正証書の債務弁済のメリット

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公正証書のメリットと注意点

公正証書の債務弁済のメリット

2024/10/07

公正証書は、公的な証明力を持ち、債務者の合意の下で作成されるため、債務の履行を促す強力な証拠となります。また、執行認諾文言を含む公正証書によって、債務不履行時に迅速に法的手続きが可能となり、債権者の権利を守るための手段が整います。本ブログでは、公正証書の具体的な効果や、債務弁済におけるメリットと注意点について詳しく解説し、法律専門家としての視点から実務に役立つ情報を提供します。

目次

    公正証書の債務弁済:その重要性と基本知識

    例えば第三者に貸付を行う場合、借用書の代わりに金銭消費貸借公正証書を作成したり、貸付後に借主である債務者がこれを返済しない場合に債務弁済公正証書を作成すると、債権者は様々なメリットを得ることができます。まず、公正証書は公的な証明力を持っており、証拠としての価値が高い文書になります。 また、詳細は後述しますが、債務弁済公正証書においては通常「執行認諾文言」という条項が定められますが、債務不履行時には迅速に法的手続を開始することが可能となります。これにより、債権者は長期間にわたる法的手続に伴うストレスを軽減され、早期の解決が図れます。

    執行認諾文言を含む公正証書の利点について

    債務弁済公正証書における重要な要素の一つが、執行認諾文言です。この文言が含まれている公正証書は、債務者が自らの債務を履行しない場合に、迅速かつ効率的に法的手続きを進めるための強力な道具となります。具体的には、執行認諾文言により、訴訟を提起して判決を得ることなく、即座に強制執行を行えるため、債権者は債務者の財産に対する権利を迅速に回収することができます。 執行認諾文言のない一般的な合意書では、その合意に基づいて強制執行するためには、債務者を被告とする訴訟を提起して判決を得ることが必要となります。しかし、執行認諾文言がある公正証書の場合には、この訴訟手続を省いて直ちに強制執行を行うことができます。この点で、債務者との間で債務弁済公正証書を作成することは、債権者にとって大きな武器を与えてくれます。

    公正証書の注意点

    以上のとおり、公正証書は証明力が高い書面ですが、注意しなければならない点があります。それは、公正証書があるからといって、そのどおりの権利義務が発生しないことあることです。前述のとおり公正証書には高い証明力がありますが、その公正証書記載のとおりの取引がなされていない場合、訴訟の中で公正証書が無効であると判断されることがあります。公正証書が高い証明力を有するのは、事実関係をこれを作成する公証人が確認することを前提としていますが、その確認が万全なものであるとは限らないため、裁判所で審理した結果、公正証書の内容が覆されることがあります。「公正証書を作成すれば、その内容が覆されない」と一般に考えられ、弁護士の中にもそのように理解している者もいますが、必ずしもそうとはいえないことに注意が必要です。貸付の話から外れますが、裁判所が公正証書遺言の効力を否定することがありますし、弊所の取扱例でも、雇われ代表者がオーナーに無断で会社名義の金銭消費貸借公正証書を作成したと言う事案において、裁判所からその公正証書を覆す内容の判決を得たこともあります。したがって、このような取引の実態と異なる公正証書が作成された場合、債務者は、経験豊かな弁護士に相談して、その効力を否定することができるかを検討してみることが必要です。

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